Design

建築からビロンギングへ:空間デザイナーのコミュニティづくり

良さを引き出すこと、プライドを失うこと、日常の中に居場所を見つけること

By Sarah & Miu — Conversation recorded at Nutshouse, Kyoto|京都・Nutshouse にて収録

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金沢出身の空間デザイナーが語る、建築を離れた理由、浪人時代に学んだ協働の姿勢、そして街における「ビロンギング」の意味。

石川県出身、京都工芸繊維大学デザイン建築学科程卒業。 学部時代はワークプレイス・スタイルデザインを専攻し、空間が人のふるまいや暮らし方に与える影響について学ぶ。 現在は同大学とロンドン芸術大学のダブルディグリー修士課程に在籍。異なる背景を持つ二つの都市を行き来しながら、人と社会の間に生まれる課題に向き合い、分野横段的なデザインとリサーチを続けている。

1.建築から空間デザインへ

町でどういうふうに人が暮らすかとかをデザインしたかったのに、毎月毎月週5時で設計してくださいとか、設計方をやるのに飽きちゃって…建築士の資格取らなくても、私結構、そういうのが必要なときは、そういうのが得意な友達を呼んでくればいいんだと思って。

2.まちへの興味の原点

川を2個渡って、40分くらい自転車で帰ってたんですけど、毎日。途中で結構鴨川っぽい感じの西川っていう川で、学校に行く途中にくつろいでる人たちとかを見てて、すごいその風景がいいなって思った…本当のデパートとかっていうところよりも、ちっちゃいお店がすごく好きで、商店街によく帰り道寄って、そこの店長さんとかと話して。

3.一筋ではなかった道

浪人する前は、農学部の森林科学科に行きたかったんです。山登りすごく好きだったし、植物もそれこそ今でも好きだし…でも浪人してるときに、なんかふと、デザイン楽しそうと思って行こうとしたから、ずっとそれ一筋できたっていう感じでもないけど、ずっとどっかにはちょっとあったって感じ。

4.学部時代の研究から学んだこと

私それまで市役所の人とかって、絶対頭固いし、パッションとかないんだろうとか、社に構えてたんですけど、でも話してみると、どの会社の人もそこにいる誇りをちゃんと持ってて…そういう人たちの言葉って、普通に暮らしてる分には見えないけど、そういうワークショップとかを通じて、なんか引き出せる。

5.デザイン哲学

街に関しては…私はその良さを引き出すぐらいがいいかなみたいな感じで。私、たぶん自分でゴリゴリ全てをやるぞみたいな感じのタイプじゃないんで、みんなに助けてもらっていて、それがたぶん自動的に、街の人たちにとって主体的に何かに関わる理由になっちゃう。

6.巻き込み力の源

浪人の時にプライドがなくなった…浪人生って学生でもないし、社会人でもないから、本当に無職っていう人なんですよ。っていうのに一回なって…一人じゃ何もできないかもなってすごく思うようになって…私が興味があって頑張れることと、他の人が持ってる魅力とかが、結構一緒にしたら2倍に、どんどん強くなっていくかもって思って。

7.写真について|

意識と無意識でいうと、無意識の方が好きなんです。ポーズを撮るよっていう写真は全く撮らなくて、人が街の中を歩いているとか、何かを見ているとか、料理を作っているとか…私は結構写真は、最近は作品じゃなくて記録媒体だなって思っていて…ジーンは結構いいなって思ったのは、渡したらそれを勝手に読んでくれるから、ゆっくりでも。その人のタイミングで読んでもらえる。

8.写真とデザインの関係

写真は結構私の武器ではあるなって思ってて、それが人を呼ぶきっかけにはなるけど、私が本当にやりたいことは写真ではないかも…今はもうちょっとローカルな人たちはどういうふうに、いろんな主体的な街の使い方をしてもらえるかな、みたいなのを考える展示をしたい。

9.展示タイトルの由来

その時も…ロンドンに行ってどうするとか決まってない…私の友達も、もうあと1年したら卒業するみたいなタイミングで、将来どうしようかなって考えてて…今現状、現在一応2人とも将来分からないみたいな不安で共通してたから、これから2人が別々のところだとしても、毎回タイトルを現在一っていうのにして、一旦自分の現在一を展示するっていう展示を定期的にやろう。

10.パブリックスペースへの想い

今日時間、暇だなって思った時に、例えば鴨川に行くでもいいし、公共空間に出るみたいなことが選択肢の一つにあるような街がいいなって思ってて…みんなのものだからこそすごく制約があるし、仕方ないけど、その分使いづらいなって思うところがいっぱいあって…ヨーロッパに行ったらすごくみんなベンチとかを使ってたりしてて、それは何が違うんだろうとか。

11.今の研究テーマ:ビロンギング

今の研究は、街への愛着とか、ビロンギングみたいなのが、どういう風に形成されているのか…一時的に来る人にとっても、京都ってすごく素敵で、居心地が良くて、居場所があるって感じるな、みたいなことを、もし感じる人がいるんだとしたら、それはどういう風に形成されているんだろう…いろんなビロンギングのあり方を、アクセプトできるような街がすごくいい。

12.ビロンギングを感じる場所

空間だったら鴨川…やっぱり私は結構、街の人と話すとき、お店に行っても顔を覚えていてくれて、挨拶をしたら、また来てね、みたいな感じで、それが終わりじゃない感じがすごくするのが、すごくいいなと思っていますね。私も一生の別れ感のある別れは、最近はしないようにしていて、じゃあ、さよならはしません。またですって。

13.これから

今は京都がすごく行くお手がいいけど、ずっと京都にいたいとかっていうのもちょっと違うかもなって思って、見れるうちにいろんなところを見ておきたい…行けるチャンスがあるんだったらロンドンに行くし、その後残れるチャンスがあるんだったら、ちょっと残ってもいいかなって。

外部リンク

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コネクト

Miu Onoda

石川県出身。京都工芸繊維大学デザイン・建築学課程卒業。現在、京都工芸繊維大学とロンドン芸術大学のダブルディグリー修士課程に在籍中。文化的・社会的背景の異なる二つの都市を行き来しながら、領域横断的なデザインとリサーチに取り組んでいる。

Sarah

STEM教育、Web3、アートマネジメントなど多岐にわたる分野での経験を持つプロジェクトマネージャー兼イベントコーディネーター。現在は京都でNutshouseを運営し、多様な人々と共創する展示会や体験型イベントを開催している。